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『パナシア』初の主力製品となる改質水素抽出機『パナジェン』、100%国内技術により開発
登録日
2021-05-07
ヒット
3485
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『パナシア』初の主力製品となる改質水素抽出機『パナジェン』、100%国内技術により開発

 

 

水素生産部門に挑戦する釜山造船機資材企業(株)パナシアの歩みに注目する人々が少なくない。釜山江西区韓国生産技術研究院に設置されて試運転を施行中の水素抽出機パナジェン(PanaGen)の試製品。パナシア提供 造船資機材企業(株)パナシア(代表取締役イ・ステ)は、水素産業において企業の未来を探索中である釜山の代表企業の一つだ。水素の消費や活用部門において機会を探している他の企業とは異なり、パナシアは大胆にも、水素生産部門に挑戦状を突きつけて、企業の「クワンタム・ジャンプ」(大跳躍)を狙っている。

 

釜山美音産業団地に位置するパナシアは、水素生産のために20204月に大田市と水素抽出設備への投資のための業務協約を締結し、釜山江西区韓国生産技術研究院に試製品を設置して試運転に入るなど、水素企業の面貌を着々と備えていっている。

 

時代の流れに合わせて早い時期から水素産業へ進出

パナジェン、改質水素の量化小型化が可能な設備

媒技術の産化、性能・価格競力を高める

99.999%の高純度の水素抽出にも成功

イ・ステ長のリシップ、技術開発の「原動力」

 

 

 

水素生産方式による水素。パナシア提供

 

パナシアが水素産業において未来を探すようになったのは偶然ではなく、ここ数年の間、世界的な環境規制の動きに乗って急成長をしてきた企業の履歴と関連がある。国際海事機関において船舶硫黄酸化物の規制に本格的に乗り出すと同時に、船舶用硫酸化物低減装置であるスクラバーを生産してきたパナシアに、受注がどっと押し寄せてきた。2018年に647億ウォンであった売上高は、2019年には3284億ウォン、2020年には3558億ウォンと、急速に増え続けている。パナシアの関係者は、「世界的な環境保全の動きに注目していた頃、次世代の環境事業として水素産業が有力であると判断した」と伝えた。ちょうどその時、グローバル企業も相次いで水素産業に飛び込んできたし、政府も水素産業の集中育成に対する意志を強く表していた時期だった。

  

早い時期に水素産業に足を踏み入れたパナシアが公表した最初の成果は、天然ガスの改質を利用して水素を生成する水素抽出機『パナジェン』(PanaGen)である。パナジェンは、LNGから水素を分離、抽出する改質水素製造設備である。現在、国内の水素ステーションなどでは、石油化学製品を作る過程で発生する水素である副生水素を使用するが、パナジェンで生産される水素である改質水素は、流通コストを削減し、環境保全への貢献、高い生産性などを誇る。

 

このうち、パナジェンを設置さえすれば既存の天然ガスの供給チェーンを活用してすぐに水素を抽出することができるという点は、非常に重要な利点である。パナシアの関係者は、「改質水素抽出機は軽量化・小型化することができるというのが最大の利点である」とし、「天然ガスを利用した改質水素は、水素経済を実現するための橋頭堡の役割をするだろう」と説明した。

 

パナシアの初の開発製品は、時間当たり30N㎡を生産可能な天然ガスの改質による水素抽出機である。水素抽出機の中核技術であるPSA(高純度吸着分離工程)、WGS(水性ガス転移工程)など、システムを100%国内技術によって開発完了しており、さらに輸入に依存している触媒技術も国産化して、性能と価格競争力を高めた。また、20207月から今年3月までの9ヶ月の実証テストを経て、99.999%の高純度水素の抽出にも成功した。2022年の初頭、大田市の水素充填基地へ納品する製品は、時間当たり250N㎡を生産することができる製品であり、一日500kgを生産し、大型バス20台を水素でいっぱいに満たすことができる量である。

 

パナジェンのもう一つの利点は、安全に重点を置き、水素生産の全過程を遠隔操作により管制するシステムを備えているという事である。水素生産設備の製作社であるパナシアから、パナジェンを設置した水素ステションなどに対し、すべての過程を遠隔操作してリアルタイムでモニタリングを行い、設備を制御するレベルまで装することができるという。

 

パナジェンはいち早く、次世代製品として建物用水素抽出機の開、建物用・発電用燃料電池システムの販なども進めている。これは、最近電事業者に対する再生可能エネルギの使用率化の動きと各自治体の環境保全建造物に対する多くの特典など、国内の環境保全の動きとも連携されている。すでに試製品の形態のパナジェンが開完了を控えているだけに、建物用水素抽出機の開もまた、間もなく目に見える成果につながる見通しである。

 

パナシアは、二酸化炭素捕集機(CCUS)も開発し、「ブルー水素」を実現した。この点が、二酸化炭素が発生して「グレー水素」に分類される天然ガス改質水素の弱点を克服し、抜群の競争力を備えたと評価される部分である。特にこの製品は、排気ガスを前段階で捕集する技術であるため、効率の最大化、原価低減、軽量化などを実現した。パナシアは、今後、二酸化炭素捕集技術により、水素抽出機の他にも、二酸化炭素排出規制が強化される船舶用およびプラント市場でも活用する計画である。実際、パナシアの船舶用二酸化炭素捕集機は、すでに設計完了して艀船での実証テストを経ており、今年8月に船級承認を取得して年内の商用化が可能となる見通しである。

 

さらにパナジェンは、長期的に「グリーン水素」と呼ばれる最終段階である水を利用して水素を生成する技術である水電解方式水素抽出機の開発も開始した。水電解方式水素抽出機は、二酸化炭素などの環境的副産物が全く出てこない方式であるため、開発に成功した時にはパナシアの未来が新たに開かれるものと予想される。パナシアの関係者は、「今後、戦略的パートナーを探したり、M&Aを進める方法で、短期間にパナシアの水素部門の開発能力を引き上げる方案も講じている」と述べた。

 

パナシアの果敢な挑戦は、イ・ステ会長のリーダーシップが裏付けされた。イ・ステ会長は、1989年の創業後、常に先制的に主要な技術の開発に乗り出して市場を先取りする戦略を駆使してきたCEOとしてよく知られている。世界的な環境危機への対応の動きを把握して、環境保全製品のポートフォリオを構築したこと、第4次産業革命の動きに対してスマート工場への変身を図ったことなどが代表的である。今回の水素市場への進出もまた、イ・ステ会長が直接事業を主導していたため可能だった。

 

パナシアは、企業内における努力に加え、政府自治体の支援も期待している。政府が水素経済への転換を公言したが、現在の技術力では存のエネルギ源よりも生産単価が高くならざるを得ない。消費者が、比較的安な化学石油燃料を探すしかない構造である。

 

政府の水素需要計に対応した供給計画の樹立が切だというのがパナシアのアドバイスである。特に、国内で供給水される水素のうち、日本などの海外から輸入される割合が相当なものである分、エネルギ自立などを考慮して、国内の水素生産企業の育成支援が必要な況である。

 

釜山市の水素産業育成への意志が他の自治体に比べて強くない点も、「釜山の水素分野の開拓者たち」には惜しい部分である。現在の水素ステーションだけ見ても、釜山ではわずか2ヶ所のみ、蔚山や昌原に比べて桁違いに不足している。新領域である水素産業に挑戦する地域の企業としては、水素インフラの不足が技術開発や営業・マーケティングに対する制約となり得る。

 

パナシアもまた、初の製品であるパナジェンを開発しても、地域の需要先がないため、大田市とMOUを締結して製品を納品することにするなど、他の市・道を相手に技術協力や営業を展開してきた。まかり間違って釜山に水素産業の機会が拡大されない場合、新しい部門に挑戦する地域の企業の域外流出さえ懸念される状況である。

 

キム・ヨンハン記者kim01@busan.com